Дама с Рилаккумой

または私は如何にして心配するのを止めてリラックマを愛するようになったか

2020-01-01から1年間の記事一覧

2020年に読んだ本ベスト10

2020年に読んだ本ベストテン。 1・松本俊彦「依存症、かえられるもの/かえられないもの」(2018年から2020年まで『みすず』に連載、みすず書房より単行本刊行予定) ※(追記)2021年4月に『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』に改題の上単行本刊行…

2020年に観た洋画ベストテン

2020年に観た洋画ベストテン。 1・ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』(기생충、2019、韓) 2・キム・ギドク(1960-2020)『春夏秋冬そして春』(봄 여름 가을 겨울 그리고 봄、2003、韓独) 3・キム・ギドク『嘆きのピエタ』(피에타、2012、韓) 4・エレ…

2020年に観た邦画ベストテン

2020年に観た邦画ベストテン 1・黒沢清『スパイの妻〈劇場版〉』(2020) 2・野村芳太郎『疑惑』(1982) 3・野村芳太郎『鬼畜』(1978) 4・野村芳太郎『張込み』(1958) 5・野村芳太郎『ゼロの焦点』(1961) 6・野村芳太郎『真夜中の招待状』(1981) 7・宮崎…

松本俊彦「依存症、かえられるもの/かえられないもの」(2020/5-2020/9の読書日記)※(追記)2021年4月に『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』に改題の上、単行本刊行

連載の第一回目を読んだだけでその傑作を確信できる作品というものがある。新潮社のPR誌『波』に連載されていたブレイディみかこの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の第一回(https://www.shinchosha.co.jp/ywbg/chapter1.html)がそうであった…

シリコンバレーの暗黒啓蒙、日本のカルト資本主義、ウォール街のランダム・ウォーカー(2019/07-2020/04の読書日記)

フランス軍に占領されたイェーナで偶然ヘーゲルが目撃し「世界精神が馬に乗っている」と幻視したナポレオン・ボナパルトは、軍事的策略家であるだけでよく、自身が思想家である必要はなかった。同じことがドナルド・トランプにも言える。いかな道化じみたト…

多文化主義なのかアメリカ第一主義なのか イーストウッド『グラン・トリノ』にまつわる苦さ(2017/10-2017/11の日記)

10・11月 (『グラン・トリノ』結末に関する記述あり) 今日クリント・イーストウッドについて語ることはいささかの躊躇いを感じさせる。 昨年イーストウッドはEsquire誌のインタビューにおいて、難しい選択だという留保をつけながらも、トランプ支持を表明し…

ブレイディみかこ『子どもたちの階級闘争』(2017/12-2018/8の日記)

『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房、2017)は生硬かつ頑陋な左翼色を感じさせる題名でありながら、読み終えたらこのタイトルしかありえないと感じさせられる。緊縮に喘ぐ労働者の絶望、差別にさらされる移民の苦し…